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「汎用性のデザイン」賞

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概要

捨てないを創造する、循環型クリエイティブ。使えるのに、捨てている…。
リサイクルやリユース、アップサイクルなどで廃棄されるものに次のライフサイクルを提案する動きが世界的に行われています。人々の社会経済活動によって生まれ、社会を一度経由した素材の発見、発掘、再利用するという循環をつくっていきます。
本プロジェクトは、掲出から2週間で廃棄される屋外広告の役割寿命を本来の素材寿命である10年に最大化させ、新たに社会へ循環させるサーキュラーデザインのための仕組みです。具体的には、ターポリン素材でできた屋外広告の役割寿命と素材寿命のギャップを埋めるため、サーキュラーデザインの観点から、回収・素材化・利活用のエコシステムの構築を完成させました。

プロジェクトの説明

本プロジェクトは、掲出から2週間で廃棄される屋外広告の役割寿命を本来の素材寿命である10年に最大化させ、新たに社会へ循環させるサーキュラーデザインのための仕組みです。再生紙やペットボトルなどのようにエネルギーコストをかけて「資源化」するのではなく、素材に新しい役割を与えることで「素材化」していきます。しかしながら、いずれの屋外広告にもモデル等の権利が絡んでいることから、広告にかかる知的財産が大きな課題となっています。「素材化」するためにステークホルダー全てから権利許諾を得るのは難しく、 たとえ権利取得に動いたとしても膨大な時間がかかる上に、その間に広告は廃棄されてしまいます。この課題を解決するため私たちが生み出したアイデアは、役割寿命を終えた屋外広告に「重畳印刷」を施すということです。これは、ハードルとなる広告の知的財産を完全に隠すことができる印刷技法です。
この技術を本プロジェクトのスキームに取り入れることで「素材化」が可能となり、寿命ギャップの解消と廃棄される際のエネルギー消費を低減させることで、新たな素材として社会へ循環させるサーキュラーデザインとしての仕組みを立ち上げました。

関連リンク

https://openmaterial.jp/

審査員コメント

木下 浩佑

MTRL / FabCafe Kyoto マーケティング & プロデュース

「汎用性のデザイン」賞

技術的には不可能ではないはずなのに、いわゆる「大人の事情」が循環を阻害する...という構造的な課題に対して、「枯れた技術の水平思考」的なアプローチで解決策を提示しており、とにかく痛快。既存の印刷技術や設備をそのまま活用できること、廃材から新たな製品をつくるのではなく汎用的な素材に戻すことなど、展開性を念頭においた仕組みとしてデザインされていることも素晴らしいです。また、消費者の購買欲を促すために巨大な屋外広告を製造してはすぐに捨てるというサイクルを繰り返し続ける、都市における企業の経済活動への批評的な視線も感じました。

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