特別賞について
Special Prize
「サーキュラーバイオエコノミー」の実現に向けて
プロジェクト・アイデアにスポットライトを当てます。
自然の力を後押しし、サーキュラーエコノミーに向けた新しい、
再生的なループを描く実践者に、深く敬意を表します。
特別賞によせて
「想像してみてください。廃棄物がもはや廃棄物ではなく、価値ある資源となる世界を。それを可能にするのが、サーキュラーバイオエコノミーの変革力です。
この賞は、資源回収やグリーンテクノロジーの革新、環境管理における持続可能な解決策として、生物学的プロセスを活用する流れに着目しています。廃棄物を最小限に抑え、自然のプロセスを環境的・実用的な利益に活かすサーキュラーバイオエコノミーにおいては、微生物さえも重要な役割を果たせるのだという、新たな認識の広がりを象徴するテーマです。
二酸化炭素をウォッカに変える技術や、バクテリアを使ってひび割れを修復する自己修復コンクリートなどといった新たなイノベーションは、これから可能になることのほんの始まりに過ぎません。これらの画期的なアプローチは、廃棄物を削減するだけでなく、資源の効率性を高め、連続的な再利用のサイクルを生み出します。このサイクルは、地球の未来にとって極めて重要であると同時に、非常に魅力的でもあります。
自然の力と人類の技術を融合させることで、製造プロセスをより柔軟で、無駄が少なく、環境に調和したものに変えていけるでしょう。この取り組みは、あらゆる領域のステークホルダーを巻き込み、より緑豊かで持続可能な未来を共に作り上げるものです。力を合わせれば、私たちはすべての資源が価値あるものとなり、何一つ無駄にしない、より安定した世界を作っていけるでしょう。」
募集概要
ジャンルや規模を問わず、「サーキュラーバイオエコノミーを推し進めるプロジェクト・アイデア」を募集し、3点を表彰します。
審査員10名が審査した活動・プロジェクトのなかで、一番多く投票された3点が選ばれます。
審査員数名からコメントを授与し、2025年3月に予定するFabCafe Tokyo(東京・渋谷)でのcrQlr Exhibitionにて展示・紹介の機会を提供いたします。
審査基準
crQlr Awards 2024 特別賞では、下記の視点のいずれかに当てはまる応募プロジェクト・アイデアを評価します。
1.「自然が新たな循環を生み出す力」
自然は独自の循環経済を持っています。化石燃料や鉱物のような有限な資源とは異なり、木材や二酸化炭素、その他のバイオマスといった再生可能な有機物質は、消費される速度と同じ速さで再生することができます。さらには、バクテリアのような微生物でも、廃棄物を有用な製品や再生可能エネルギーに変換することが可能です。
あなたの取り組みは、どのようにして自然が廃棄物を貴重な資源に変換する能力を高めたり、あるいは支えたりしていますか?
あなたの取り組みは、どのようにしてネイチャーポジティブな手法を取り入れ、従来の産業慣習を変革させていますか?
2.「エコシステムの再生」
バイオエコノミーの可能性と力は、自然のエコシステムの回復と再生なしには実現できません。実際のところ、多くのエコシステムは、人間の活動や自然災害、その他の要因によって劣化したり損傷したりしているのが現状です。自然の力を利用した再生的なアプローチを取ることで、炭素を固定・貯蔵し、土壌の健康を改善し、汚染された水を浄化し、そして生物多様性を促進することで、エコシステムにレジリエンスとサステナビリティを与えることができます。
あなたの取り組みは、どのようにして人々にインスピレーションを与え、エコシステムの回復と安定化に貢献していますか?
3.「教育とストーリーテリング」
バイオエコノミーに関するストーリーを伝え広げ、教育・啓蒙していくことは、生物資源が持続可能な発展を推進する方法について、人々がより深く理解していくために重要です。アートや教育プログラム、その他の表現を通じてこれらのストーリーを共有していくことで、イノベーションを促し、人々の考え方を変え、責任ある消費と生産の実践の輪を広げることができます。
あなたの取り組みは、複雑なバイオエコノミーの概念をどのようにしてわかりやすく、そして魅力的にしていますか?
審査員
David Benjamin
The Living / 創業者兼プリンシパル、コロンビア大学大学院建築・計画・保存研究科准教授
Cecilia Tham
Futurity Systems CEO兼共同創業者
Gregory Constantine
Air Company CEO兼創業者
Anni Korkman
Luovi Productions、Helsinki Design Week プログラムディレクター
Renaud Haerlingen
建築家、Rotor元プリンシパル、Rotor Deconstruction 共同創業者
廣末幸子 / Sachiko Hirosue
株式会社大阪鉛錫精錬所 代表取締役社長
Maël Hénaff
セントラル・セント・マーチンズ(ロンドン芸術大学)MAマテリアル・フューチャーズ課程主任
Kalaya Kovidvisith
FabCafe Bangkok 共同創業者
Gwyneth Jong
FabCafe Kuala Lumpur 共同創業者
浦野 奈美 / Nami Urano
FabCafe Kyoto マーケティングリーダー、SPCSコミュニティマネージャー
受賞のメリット
crQlr Awards 特別賞受賞特典として、以下をお贈りいたします。
- 特別賞の受賞者には、crQlr SummitとExhibition企画の一環として、2025年3月に予定している東京での展示にご招待します。
- 特別賞の受賞者には、上記イベントに出席するための、日本もしくは海外からの往復の交通費、および東京での最大3泊分の宿泊費を支給いたします(各受賞者1名まで)。
- すべての受賞者には、審査員が命名・付与するオリジナルの賞(〇〇賞)と審査員からのコメントが贈られます。これらの賞とコメントは、crQlr Awardsの主催であるLoftworkおよびFabCafeの各種メディアにて発信されます。またコメントはクリエイティブ・コモンズとして扱われ、受賞者はご自身のメディアやプロモーションなどの用途で自由にお使いいただけます。
- すべての受賞者には、「crQlr Awards Winner」ロゴキットが提供され、受賞プロジェクトのプロモーションにご使用いただけます。
- すべての受賞者は、FabCafe、LoftworkおよびcrQlrのウェブサイトとソーシャルメディアにて掲載されます。
- IDEAS FOR GOOD、Zenbird、Circular Economy Hubを含むメディアスポンサーのコミュニケーションチャンネルでも取り上げさせていただく予定です。
- すべての受賞者は、2025年3月に開催予定のcrQlr Summitおよび展示会にご参加いただけます。