特別賞 FabCafe Global Prize
今年のcrQlr Awards 2022では、新たに特別賞を設け、コミュニティのための「ボトムアップな活動」に敬意を表します。
特別賞 「FabCafe Global Prize」
受賞プロジェクトについて
コミュニティのための「ボトムアップな活動」に敬意を表すために。
カテゴリやコミュニティの大小を問わず、コミュニティが持つ課題を解決するために生まれた活動・プロジェクトを募集し、4点を表彰しました。
FabCafe Global Prize審査員/FabCafe創設メンバー、株式会社飛騨の森でクマは踊る 代表取締役 CEO 岩岡孝太郎からのコメント
審査会を通じて、審査員それぞれが多くの課題と解決策について学ばせてもらいました。まずは応募いただいたすべての人たちに対して感謝を伝えたいと思います。皆さんにも応募された活動を知ってもらうことで、特別賞が掲げた「ボトムアップな活動にスポットライトを当てる」という目的は果たせるのではないかと思います。
全体として、食品や衣服など廃棄物問題に対する取り組みが多かった印象があります。循環型社会への移行の加速が求められる中、未だに大量生産・大量消費社会の構造から脱せてない現状に大きな危機感を覚えました。
特別賞では審査基準「2. コミュニティから始まり、持続される」に焦点が当てられました(逆に言えば「1. 地域資源の活用」「3. 天然資源の再生」はほとんどの活動がクリアしていました)。
開発プロセスを開くことでコミュニティを成長させる「Fair, circular solar panel」、地域の問題を機会創出に変えてコミュニティに還元する「Sargablock」、各地に研究所を置くことで地域ごとのコミュニティと協働する「日本草木研究所」、この3つは異なる象徴的なコミュニティへのアプローチを取っています。
そして、物質的な循環ではなく教育という手段でコミュニティの持続を目指している「Casa Gallina」は、私たちが取り組むべき課題は資源循環だけではないことを示しています。以上4つの活動が持つアプローチに学ぶことで、地域の課題を複合的に解決するボトムアップな活動が生まれるのではないかと考え、特別賞の選出としました。
特別賞(3点)
FabCafe Global Prize
自分が属しているコミュニティの課題を解決しようとする「ボトムアップな活動」にスポットライトを当て、勇気を持って表現してくれたことに敬意を表したいと思います。
あなたが始めた活動が、世界中のコミュニティでの多様な活動を促し、
やがて世界や社会を変えるかもしれないインパクトがあると私たちは期待しているからです。
特別賞によせて
FabCafeは、新しいものづくりの方法または手段を、ものづくりというカテゴリーに属さない人たちへも開くことで、誰かの小さなアイデア、カタチが思ってもみなかった方向へと繋がり、拡がることの面白さ、素晴らしさ、パワーとなる機会を提供する場所あるいは装置として機能することを期待してつくられました。
「FabCafeってなんだかむずかしい」
「みんなに褒められるすごいことしなきゃいけないんでしょ」
なんて声を聞くたびに、
「いやいや、そんなことはないんだよ」
と、FabCafeが無くしたはずの、でもまだ確かに存在している敷居・界壁を取り払うことをしてきました。
FabCafeは、場所に紐づいており、最初のFabCafeであるFabCafe Tokyo(後にTaipeiがオープンした際に”Tokyo”をつけた)だって、広い世界の点でありひとつの地域に存在するにすぎず、物理的にアクセスできる人(多様性)を増やすために、各地にFabCafeをつくってきました。
YouFab(※1)も、「なんだかむずかしい」に対して「いやいや、あなたが行っている活動やつくっている作品も立派な”Fab”だよ」と他の誰かへと表現する機会を提供することを目的の一つとしてスタートしました。また、FabCafeのある地域やFabCafeがカバーしきれていない地域の津々浦々からアクセスできるメディアとしての機能も期待されました。
それでもやっぱり「なんだかむずかしい」
FabCafeを通じて発信される活動や作品はどれも本当に素晴らしいことばかりです。
しかし、私たちが敬意を表したいのは、その人物が既に自らアクションを起こしていることに加えて、それを表現する勇気を持っていることです。
crQlr Awards 2022の特別賞では、自分が属しているコミュニティの課題を解決しようとする「ボトムアップな活動」にスポットライトを当て、勇気を持って表現してくれたことに敬意を表したいと思います。仲間が加わることはきっとあなたの活動の力になるし、あなたの活動に刺激を受けた誰かが始める活動への連鎖となるでしょう。地域と言ってもそこに暮らす人にとっては十分に広い社会です。コミュニティの大小は問いません。crQlr Awards 2022を通じて、隣の人や隣のコミュニティへと繋がることで、やがて大きなサーキュラーとなることを期待しています。
※1 … YouFabについて
YouFab Global Creative Awardsは2012 年にFabCafeに集うクリエイター向けのコンテストとしてスタートしたアワードです。クリエイターと社会が繋がるグローバルなプラットフォームを目指しています。
YouFabでは環境、社会、経済、政治など、現在私たちの世界で実際に起きている要素とクリエイティビティが交差する作品に注目しています。今ある常識に挑戦する世界中のクリエーターを対象とし、好奇心や想像力を刺激するような、”ハックされた”新しいアイデアに期待しています。
応募概要
募集概要
カテゴリやコミュニティの大小を問わず、コミュニティが持つ課題を解決するために生まれた活動・プロジェクトを募集し、3点を表彰します。
審査基準
crQlr Awards 2022 特別賞では、下記の視点のいずれかに当てはまる応募プロジェクト・アイデアを評価します。
1.“地域資源の活用”
素材や知見などの、地域資源をどのように活用して、課題に取り組んでいるか?
2. “コミュニティから始まり、持続される”
地域コミュニティでの活動を通じて、どのようにその活動を持続させているか?
3.”天然資源の再生”
どのように廃棄物や汚染を排除し、天然資源を再生しているか?
審査員
石坂 典子
石坂産業株式会社 代表取締役
Mitchell van Dooijeweerd
DGTL Festival / Revolution Foundation サステナビリティ・マネージャー
Yeliz Mert
Global Landscapes Forum ナレッジシェアリングコーディネーター
Amorpol Huvanandana
moreloop 共同創業者
Richie Lin
MUME Hospitality Group 創業者&CEO / MUME 料理長
Lingchih Yang
FabCafe Toulouse 共同創業者
Jérémie Bellot
建築家 / デジタルアーティスト / AV Extended 創業者 / Château de Beaugency オーナー兼クリエイティブディレクター
小川 敦子
ロフトワーク京都 アートディレクター
岩岡 孝太郎
株式会社飛騨の森でクマは踊る 代表取締役 CEO
木下 浩佑
MTRL / FabCafe Kyoto マーケティング & プロデュース
受賞のメリット
- 受賞コメントを授与 (コメントはクリエイティブ・コモンズとして扱われます)
- 循環型経済の取り組みを周知・PRしていく活動の後押しとなる「crQlr」認定キットを授与
- FabCafe、ロフトワーク、IDEAS FOR GOOD、Circular Economy Hub、他各種メディアスポンサー媒体への露出によるプロジェクトのPR
- オンライン / オフラインイベントでのオープンフィードバック、ディスカッション(一部受賞者のみ)
- 事業計画、サービスのブラッシュアップ、ビジネスマッチング