小川 敦子
ロフトワーク京都 アートディレクター
1978年生まれ。百貨店勤務を経て、生活雑貨メーカーにて企画・広報業務に従事。総合不動産会社にて広報部門の立ち上げに参画。デザインと経営を結びつける総合ディレクションを行う。その後、フリーランスのアートディレクターとして、医療機関など様々な事業領域のブランディングディレクションを手掛ける。そこにしかない世界観をクライアントと共に創り出し、女性目線で調和させることモットーにしている。2020年ロフトワーク入社。2021年より経産省中部経済産業局、大垣共立銀行が中心となりスタートした、東海圏における循環を描くプロジェクト「東海サーキュラーエコノミー」のプロジェクトマネージャーを担当。
Judge’s selections
エコシステムの未来賞
Aquaterrestrial Recolonization
College For Creative Studies, Detroit, United States / University of The Bahamas, Nassau, Bahamas / AI.R Lab, United States
未来を可視化するというアート的思考を海底の世界を結びつけ、希望に満ちたかつ独自の世界観で魅せるやり方、さらに社会課題である環境汚染、海洋汚染の問題としっかりとかつポジティブに結びつけながらも、一つの生態系としてやわらかに捉えている点が素晴らしいと感じました。ただし、さらに課題解決に結びつけるには、より高い知見と技術を導入する必要があると思います。このPJに賛同する「知恵」が集約する、まさに人間の知恵と地球の知恵が一体化され、未来の可視化が実現されるのではないか?という期待も込めて、選定させていただきました。
捨てない循環デザイン賞
生活者と農業の現場をフラットに無理なく繋げている点、さらに、廃棄という問題を前向きに捉えている点、企業が保有する知財が生活と課題解決に見事に結びついているところまで解決策を見出し、実装のためのストラクチャーがよく考えられている点。すでに、実施されている点が非常に素晴らしいと思いました。欲を言えば、このような構造を実装する際に、どのようなプロセスのもと開発をされたのか?また、どのような障壁があり、どのように乗り越えたのか?という点を知ることができれば、より多くの分野で、この仕組みが活かされ、まさに「循環型」が各地で実現するのではないか?と感じたこと、そこに希望を感じ、選定をさせていただきました。
循環と愛と未来賞
大人たちが今を生き延びるためにどうするのか、という発想ではなく、子供たちが未来をよりよく生きるためには、という視点に主軸を置き、さらに、教育という観点から、サークル=循環を考え、実装するための構造を組み立てていることに、非常に共感を覚えました。出発点をどこにするのか?によって、描く未来は全く変わって来ますが、私自身、このような愛ある視点こそが、実は、非常に循環というキーワードを考えていく上でも、最重要な視点であると感じます。
未来の社会デザイン賞
Dayra
: A supplementary economy that generates value through circulating existing resources and maintaining wealth within the community.
dayra collective project
社会の分断、格差社会を結果的に生み出してしまった、経済システムー資本主義に変わるものとして、おそらくは、これからの共生社会を前提に(この掲載されていたテキストだけでは全部を読み解くことは難しかったのですが)アンチテーゼとしてのメディアを構想されていることに、非常に共感を覚えました。地域社会と地域経済を結びつける新たな視点として、ローカル、コミュニティ、地元企業を絡め、システムのデザインから発想をされている点に、非常に共感を覚えました。もっと、詳しく、このシステム構造の発想について、伺ってみたいです。