JINOWA国際コンソーシアムによる循環型建築プロジェクト「Regenerative Forest -JINEN-」のヴェネチアの土壌回復

株式会社GEN Japan

2021

PRIZE

  • 大規模イベントはこうなるで賞 / Future of Huge Events Prize
  • 常若 / The Tokowaka Prize
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Description

全ての産業が土をよくする社会を目指して、イタリア発の国際企業コンソーシアムJINOWAは土壌改良による脱炭素や生態系回復につながるプロジェクトを国際的に推進しています。世界最大の芸術祭ヴェネチア・ビエンナーレを機にイタリアで5月から社会実験開始しています。 土の健康は植物、人間、あらゆる生命すべてに結びつき、人々のウェルビーングにも大きく寄与します。JINOWAは廃棄ゴールとせず、「土をよくすること」を目指したあらたな産業や社会全体の転換を推進し、土の肥沃化を地球環境だけでなく、人間を含むあらゆる生態系を回復する大きなソリューションとして提供していきます。

Story

循環型建築プロジェクト「Regenerative Forest -JINEN-」は、JINOWA国際コンソーシアムと日本の建築家・遠野未来氏が2021年5月からヴェネツィアで開始した土壌回復プロジェクトです。

ヴェネツィアのヨーロピアンカルチャーセンター（ECC）で開催されている「JINEN」の展示は、現在の環境危機に対して建築が循環価値につながるかを示すことを目的としています。
JINENには、ヴェネツィア潟の生態系を再生することを目的とした砂丘植物の生物多様性庭園も含まれています。

展覧会が終了する11月以降、JINENは最もエキサイティングな新たなフェーズに踏み出します。JINENのすべての素材を使用して、地域コミュニティと協働し土壌の肥沃度を高めていきます。JINENを分解するというプロセスは、廃棄とは全く違う多くの新しい価値を生み出し、ヴェネチアの地域社会を刺激する大きな可能性を秘めています。
JINOWAは参画企業や団体と協力し、今後はヴェネチアのジュデッカ島での地域の緑地化やエディブルガーデンプロジェクトに役立てソーシャルインパクトを生み出していきます。

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竹田 達哉

株式会社三井住友フィナンシャルグループ / 企画部サステナビリティ推進室長

大規模イベントはこうなるで賞 / Future of Huge Events Prize

先日のFinancial Timesに、「COP26に集まる3万人の飛行機利用や滞在で排出するカーボンフットプリント」の試算が掲載されていました。Co2排出の削減を協議するために、世界中から飛行機を使って多くの人が集まることへの皮肉です。コロナによりオンラインでのイベント開催が可能になった一方で、リアル開催でなければ価値が下がるイベントもあるでしょう。その代表が芸術祭だと思います。しかしこれから芸術祭であっても環境に配慮しなければ指示を得られないことを本プロジェクトは示唆しています。今後の大規模イベントの在り方を示すよいチャレンジだと評価しました。ちなみに、2025年大阪万博のテーマは「SDGｓ」です。

棚橋 弘季

株式会社ロフトワーク　執行役員 兼 イノベーションメーカー

常若 / The Tokowaka Prize

土という、実は食糧生産や人間の健康面でも重要な価値をもち、同時に再生可能性が低いともいえる資源にスポットライトを当てている点をまず評価。土の資源的な価値を重視し活動している複数企業をつなぐコンソーシアムのなかから、ヴェネチアビエンナーレという世界的な祭典の抱える問題に着目し、その芸術祭のフォーマットにあわせつつそのフォーマットが抱える課題解決の案を具体的に提示しているのは、おもしろくわかいやすい。グローバルな連携による革新的活動とローカルで伝統的なアプローチ、環境・社会の課題の解決とアート的な試みという一見相反して衝突も起こりそうな2つのものをぶつけているところは、何か新しいものが生まれそうな予感＝常若な予感を感じさせてくれる。

Winners